この週は、ふと見た洋服に書かれていた文章が心に残ったので、そこから広げてみようかと思う。
ふと見かけた英文
心に残った英文というのがこれ。
Most of the important things in the world have been accomplished by people who have kept on trying when there seemed to be no hope at all.
簡単に訳すと、「この世における重要な事柄は、希望が全く見えないようなときでも、その事柄に取り組み続けた人によって、成し遂げられる。」まぁ、雑だけれども、こんな感じでしょう。
これは、結構納得できるものだと思っていて、きっと、スティーブ・ジョブズは、iPhoneを世界に届けようと思って作っていたわけではなく、自分が作る道具は、日常生活にとって便利なものになるはずだという考えから作っていただろうし、Amazonも、今となっては巨大企業だけれども、はじめから今みたいなビジョンを持っていたかと言われると、ちょっと微妙な気がする。Netflixだってそうだし、今現在において、大企業と言われている企業が、創業時から、大企業になるビジョンを持っているかと言われると、そんなことは無いと思う。
途中で諦めたり、投げ出したりしたら、成功なんてものはありえない。
そんなことをこの英文から読み取った訳だけれど、きっと多くの人は、諦めたり挫折したりするから、取り組み続けることは美しく見えて、同時に、取り組み続けて成功した人を見ると、敬意を持つか、畏怖を持つか、もしくは、卑下したり、足を引っ張りたくなるのだろう。
やり続ける力のことを、ペンシルベニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワースという心理学者が、グリッド(grit)と呼んだのは、調べてみると随分前。2013年の4月にTEDというプレゼンテーションで発表した時。
確かに、成功する人とそうでない人を分ける要因の1つに「取り組み続けることができるかどうか。」ということは関わってくるような気がする。
ただ、やはり、これだけでは物足りないのも確か。
というより、「やり続けることが大事」という言葉に、何かが足りない気がする。
自分なりに考えると、多分、「自分で決めたことを、必ずやり続けることが大事」だとか、「現状より、少しでいいから、改善できるように物事に取り組み続けることが大事」というニュアンスが抜けているような感じがする。
「現状の改善をし続ける。」今、書いて思ったけれど、これができたら苦労はしないだろう。と思うのが普通なのだろうか。
なんとなく、「現状の改善」は、誰でも、いつでもできることではあるけれど、何かを言い訳にして取り組まないようにすることもできることだと思う。
自分としては、「誰かと競って負けたくない」と思う前に、まず、「できない今の自分に負けたくない」と思って何かに取り組むことが今までの人生においては普通のことで、多分、劣等感を拡大解釈して、自分に対して劣等感を感じたくないというのが、行動原理だったような気がするから、「現状の改善」という言葉に対しても大して違和感はないのだけれど、人生を生きる中で、自分の言葉を簡単に曲げてしまうような人を見てしまってからは、実は、「現状の改善」は単純で難しい問題なのかもしれないとも思うようになった。
そこには、きっと、希望の有無があるのかもしれない。
希望があれば、頑張れる。希望がない=絶望みたいな単純な思考。そんな思考が常識としてはびこっている世の中。
だからこそ、あの英文のような言葉がなんとなく印象に残るのかもしれない。
「希望」
そういえば、高校の時に、ある先生が、希望の「希」の字の意味は、「少ない」とか、「まれ」「めったにない」という意味だから、「希望」とは、望みがめったにないことだ。と言ったことを思い出した。
実際のところ、「希」という漢字を調べてみると、たしかに、①少ない、まれ、めったにないと書かれているけれど、②のぞむ、乞い願うという意味も確かにある。
②の意味を使って、「希望:望みを願う」という言葉になったことを、今になって調べてみたことで気がついた。
結局の所、自分で考えたり、調べたりして、何かを探し求める姿勢が大切なんだろう。
考えなしに、誰かの言うことを鵜呑みにする恐ろしさは多分、こういうところにある気がする。「先生が言っていたから。」とか、「専門家が言っていたから」という安易な理由で思考を止めることは、あってはならないのだろう。
さて、希望があっても成功しない人はいるし、絶望のどん底でも、何かに打ち込む人だっているこの世の中で、「やり続ける力」をどのように捉えるか。
「自分で考え、改善しようと、行動し続ける」結局の所、これが人生のような気がする。他者と比べる必要もない。過去の自分と比べて、どのように改善できたのか。これからどのように改善できるのか。そんな試行錯誤の側にほんの少し心が満たされるような幸せが転がっている状態が、本当の意味での幸せなのかもしれない。
そして、「今日が人生で最後の日だとして、今日やろうとしていることは、本当に自分がやりたいことなのだろうか。」スティーブ・ジョブズさん。また、お会いしましたね。
取り組み続けて成功した人は、同じようなことを言う。
「諦めずに改善しようと努力し続けること。」
シンプルだけれども、真理のような気がする。
まとめ
何かを習慣にしたりして、取り組み続けること=「言うは易く行うは難し」なのでしょう。
時間を味方に付けて習慣を操ったり、一つのことに熱中すること。
これらができているのならば、幸せの一部はもう手のひらの中にあることに気付いたほうがいいのかもしれない。
別に、何かを習慣にすることができないから幸せじゃない。とか、一つのことに熱中できないから幸せじゃないとか、そういう意味では無いけれども。
この週はそんなところかな。
「現状を少しでも改善できるような努力」か。
また、明日からも努力をしよう。