英語を勉強する時や、特に、英語を話す時に感じる不安が、
実は、英語学習そのものの効率を下げていることもあります。
この記事では、
①そもそも「不安」とは何か?
②英語を話す時に感じる「不安」の悪影響
③「不安」の対処法を、大きく2つ
紹介します。
この記事を読むことで、英語学習、
特に、英語を話す時に感じる不安を解消するコツが分かります。
大学時代に学んだ第二言語習得理論を、
塾での指導経験を踏まえた上で、
分かりやすく解説していきたいと思います。
そもそも、「不安」とは?
まずは、「不安」の定義を確認してみましょう。
不安とは、
自信、自己評価、抑制、リスク・テイキングなどと
複雑に絡み合った真理要因で、
心配、恐れ、フラストレーション、自信の欠如、気がかり
などから生じる心理状態である。
(Brown, 2000)
不安の定義は、以上のようになります。
英語学習をする、もしくは、英語を使って話す、という場合には、
特に、「心配・恐れ・自信の欠如・気がかり」のいずれかが
組み合わさって、不安の素になっているのではないでしょうか。
ここで、英語学習をする・英語を使って話すという際に感じる不安を
2つ挙げておきたいと思います。
- コミュニケーション不安
- 周囲からの否定的な評価に対する恐れ
それぞれについて確認してみましょう。
コミュニケーション不安
これは、英語を使って話す時に感じるだけでなく、
日本語で話す時に感じることもあると思います。
例えば、日本語でなんて言ったらいいか分からないような表現を、
英語を使って表現してみようという際には、当然、不安を感じると思います。
日本語でも表せないという不安の上に、英語を使って表現しないといけない
という不安が乗っかるので、かなり大変です。
特に、日本語の場合には、「どう伝えれば相手を傷つけないで済むだろうか。」とか、
「相手に失礼の無いような表現はどういったものだろうか。」
などを考慮に入れたりするので、「不安」というものを考えた際には、
日本語という言語は、使う際に不安を感じやすい言語なのかもしれません。
日本語を使っている側からすると、
このように考えるのが普通になってしまっている部分があると思います。
その状態のまま、英語を使って話すとなると、
「間違えて伝えてしまった時に、相手はどう思うか」とか、
「相手を傷つけてしまったのではないか」ということを考えてしまい、
結局、何も話せないなんてこともあるかもしれません。
周囲からの否定的な評価に対する恐れ
否定的な評価に対して、恐れてしまうあまり、
何も言えなくなってしまうこともあるかもしれません。
この原因は、おそらく、「ミスを指摘されるのが怖い」
「ミスを指摘され続けているため、全てが間違ってしまっているように思う」
「練習問題で間違いが減らないから、話すことなんて無理」
あるいは、「いざ話そうとすると、正確な表現にこだわりすぎて話せなくなる」
といったこともあるでしょう。
こういった不安があることで、
話すことに対する抵抗感が募ってしまうと、
余計に、英語を使う機会が減ってしまうことが考えられます。
そうなると、英語を使う機会が減るので、正しい表現を伝えてもらえる機会も、
当然、減ってしまいます。結果的に、英語を使えるようになるまでに、かなりの
遠回りをすることになってしまうかもしれません。
不安を感じたままだと、どんな悪影響がある?
先程、少し触れましたが、改めて、
不安を感じたまま何もしないと、どうなるかを考えてみましょう。
- 英語を使って話すことに不安を感じる。
- 英語を使って話すことに抵抗感を覚えてしまう。
- 英語を使って話すことが少しずつ減ってしまう。
- 正しい表現や使い方を指摘されることが減ってしまう。
- 適切な英語表現から遠ざかってしまう。
(会話での使い方が分からなくなってしまう。) - 英語を使って会話するスピーキングの能力が
上がりにくくなる。 - スピーキングの能力が上がらなくなる
(頭打ちになる) - スピーキングの能力が上がらないことで、
結果的に全体の能力も停滞してしまう。
1から8までの段階を作ることが出来ましたが、
これらは全て、自分自身も経験した覚えがあります。
8まで行くと、もう、何をしていいのか分からなくなってしまうので、
やる気も下がってしまいます。
結果的に、英語自体から遠ざかってしまうこともあります。
自分自身は、このことに気づくまでに時間が掛かってしまいましたが、
不安をいかにして取り除くか、もしくは、軽減するかが、
英語学習の成功に大きく関わっていることが分かると思います。
「不安」の対処の仕方は大きく2通りある。
さて、それでは、「不安」をどのように対処するのかを見ていきましょう。
まずは1つ目。
不安を軽くすることに注目する。
具体的には、
- プログレッシブ・リラクゼーション
(主要な筋肉を緊張させることと、弛緩させることを交互に行うこと) - 深呼吸
- 瞑想
- 音楽や笑いの活用
(Oxford, 1990)
これらのような方法を活用して、不安を軽くすることを心がけるというものが1つ。
これらの方法も効果はあるのかもしれませんが、
個人的には、人前で話す時に緊張するタイプの方は分かるかと思いますが、
緊張や不安は、気づいて対処しようとすればするほど、
大きくなってしまうような感じもします。
上記に挙げた方法で、不安が軽くなるならばそれで良いのですが、
自分としては、もう一つの方法がかなり有効だと思っています。
自分の感情をそのまま受け入れる
「自分の感情をそのまま受け入れる」とだけ聞くと、
よく分からないと思いますが、つまるところ、
不安になったり、間違ったりする自分を許す
という考え方です。
最近、『セルフコンパッション』という書籍を読み、
納得した部分の1つなのですが、
自分自身に優しくなるという考えは、
英語学習にとっても大切になるように思えます。
特に、英語学習や、英会話というのは、間違いの連続だったり、
ミスを指摘されたり、間違った使い方をして恥ずかしい思いをすることも
多くあります。
そのたびに、ショックを受けて立ち直るまでに時間が掛かってしまっては、
当然、やる気も続かなければ、英語が上達する速度も遅くなってしまいますよね。
そういったショックや、不安を受け入れたり、
自分自身のミスを、例えば、
「自分は別の言語を使って学んでいるのだから、ミスをして当たり前」
「そのミスは受け入れて、次の機会はミスをしないように気をつけよう」
という具合に、許す心掛けを少しずつ積み重ねることが大切になると思います。
また、不安になる原因に、難易度が高すぎる。
というものもあるかもしれません。
その際には、自分が分かる表現や、理解できる内容を増やす心掛けが
必要になります。
英語で理解できる内容を増やしながら、会話を進めたり、
工夫1つで、英語で話す不安を軽減できる、オンライン英会話スクールもあります。
こちらのオンライン英会話スクールに関しては、自分自身が体験した
感想や、使用例、活用方法などもまとめております。
「英会話スクールに通ってみたいけど、迷ってしまって手が出せない。」
という方や、
「時間がない」という方にも活用できるサービスを展開しておりますので、
検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回の記事では、英語学習、特に、英会話に対する不安に注目してみました。
①不安とは?
②不安を感じると起きるデメリットは?
③不安をどう対処する?
といったことに対して、それぞれまとめてみました。
英語を学習する上で
「間違うかも」「相手に変に思われているかも」といった不安と
上手に向き合うことが、英語学習を成功させる大きな要因の1つに
なるかもしれませんね。
今回の記事を書くにあたり、参考にした書籍は以下になります。
今後も、このような、第二言語習得の理論に基づいた考え方や、
勉強法、効果的な学習方法等も紹介出来ればと思っております。
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